平成28年4月に開館予定の「すみだ北斎美術館」協力のもと、墨田区出身の世界的な浮世絵師「葛飾北斎」の浮世絵を和紙の行燈に仕上げます。
90年にわたる生涯で93回の転居、約70年間の創作活動で30以上の画号を使用した北斎。出版当初から相当な評判を博し当初予定されていた36図から全46図まで制作された「冨嶽三十六景」など、誰でも一度は見たことのある名作を和紙越しのやわらかいあかりでお楽しみください。
数多くの職人たちが集まっていた江戸の街。現代でも東京には多くの職人が日本の伝統文化を今に伝えています。本展では文化財「百段階段」の漆修繕に携わっている墨田区の漆職人・安宅氏が所属する「墨田区伝統工芸保存会」をはじめ、美術大学生と職人との交流も盛んな江戸川区の職人らを招き、「江戸職人の匠の技」を展示します。江戸切子、かんざし、漆、組子など日本人の美意識に根差した伝統の技を柔らかなあかりで照らします。
【墨田区の職人】江戸切子(山田 真照)、錺かんざし(三浦 孝之)、漆(安宅 信太郎)
【江戸川区の職人】江戸硝子(中村 弘子)、組子建具(山川 英夫)、組子細工(田中 孝弘)
「本来5mある、ねぶたの山車。それを天井高わずか3.5mの和室の中に表現する。」しかも「展示する場所は釘一本打つことが出来ない文化財」。
このねぶた界初の挑戦に挑む4人の次世代ねぶた師がコンセプトに掲げたのは、「部屋その物をねぶたの山車に見立てる」ことでした。ねぶたを部屋のサイズに合わせて小さく作ることは可能ですが、それでは本場のねぶたへ思いを馳せる簡易版にとどまってしまいます。そこで、全てが入らずとも、実際の祭りで使われるねぶたと同じ大きさのねぶたのパーツを用い、部屋全体をねぶたの世界感で埋め尽くすことに決めました。
4人はそれぞれ制作したねぶたの頭(かしら)を持ち寄り、一つのストーリーに仕上げました。テーマは「酒呑童子」。ねぶた界初となる「流派を超えた4名のねぶた師による共同作品」。無形文化財「ねぶた」と有形文化財「百段階段」の前代未聞のコラボレーションをお楽しみください。
礒部草丘の描く鮮やかな緑を基調としたパノラマの山水画に囲まれた草丘の間。その部屋を囲む回り廊下にはアートの竹林が涼やかにライトアップされます。
また、部屋の中央には創業年の老舗「篠原風鈴」から500個の「江戸風鈴」が配されます。夏の夜をイメージしたライトアップされた竹林と涼やかな風鈴の音色に包まれます。
燭台や行燈、提灯であかりを灯していた時代よりさらに昔、日本人にとって闇夜を照らす唯一のあかりは月のあかりでした。日本最古の物語「竹取物語」や“月見の文化”、“月の満ち欠け”にあわせて沢山の呼び方をつけるなど、日本人にとって月は特別な存在でした。
あかりの少なかった時代に暗闇を生かした美を追求した考え、陰翳礼讚(いんえいらいさん)をテーマに三代目市川猿之助丈の“スーパー歌舞伎”の美術小道具、勘緑氏の“人形浄瑠璃”の舞台美術などに携わった美術家・中里 繪魯洲氏が日本のあかりを語るうえで欠かせない“暗闇と月”をアートで表現します。
「自然が作り上げたものがいちばん美しい。僕は極力それに手を加えずに作品をつくる。」「作品を見てくれた人が身近な自然を自分なりに楽しむきっかけが生まれることがうれしい。」と語る造形作家・川村忠晴氏。
自身で野山に入り、イメージとあう草木を見つけては作品に仕上げる作品からは、優しい空気感が流れます。「昔の日本人は貧しくとも野山の花を一輪さす心の豊かさがあった。」「都会と言われるところでもよく見れば草木は沢山ある。」「現代の人々もバブルを経験し、ひとまわりして内面の豊かさを大事にするようになっていると思う。」
川村氏が提案する草木のあかりは普段、見過ごしてしまう様な小さな自然と向き合う豊かな時間を提供してくれます。
「日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙の産地である岐阜県美濃市。同市で毎年開催され、今年で22年目を迎える「美濃和紙あかりアート展」から優秀作品を展示します。
2日間の開催で約10万人を動員する「美濃和紙あかりアート展」は重要伝統的建造物群保存地区に指定される「うだつの上がる町並み」を舞台に開催され、全国各地から集まる美濃和紙を使用したあかり作品が一堂に会します。
第22回美濃和紙あかりアート展 10月10日(土)・11日(日)開催予定。
今から約150年の昔、柳井の熊谷林三郎が、青森の「ねぶた」にヒントを得、伝統織物「柳井縞」の染料を用いて創始したといわれている「金魚ちょうちん」。そのちょうちんをモチーフにした夏のイベントで、白壁の町並みを始めとする会場内に装飾された約2,000個の金魚ちょうちんに灯りを灯し、金魚ちょうちんから洩れるほのかな灯りが幻想的な雰囲気を醸し出します。
山口県日本三大火祭りのひとつで約600年前の室町時代、大内のお殿様が笹竹の高灯籠に火を灯したことから始まる「山口七夕ちょうちんまつり」。山口市の会場一帯に灯される3万個以上のちょうちんの中は本来、すべて蝋燭の灯りですが、文化財「百段階段」の頂上の間でご覧いただく今回の展示では温かみのあるLEDを使用します。
毎年当園で開催される「いけばな×百段階段展」で作品を披露している日本最大のいけばな団体「公益財団法人 日本いけばな芸術協」協力によるいけばなアートです。あかりを落とした空間に照らされるいけばな作品は6名の生け手が週替わりで作品を展示いたします。
<展示スケジュール>
7/2~7/6(広山流・岡田広山)、7/7~7/13(清泉古流・西村一紗)、7/14~7/20(古流松應会・千羽理芳)、7/21~7/27(大和花道・山田尚俊)、7/28~8/3(古流松藤会・池田理英)、8/4~8/9(桂古流・新藤華浩)
8月3日から6日の4日間開催され、140万人超の観光客が訪れる「秋田竿燈まつり」。
その主役となる竿燈が飾られるのはホテル雅叙園東京のメインストリートに位置し、園内のシンボルでもある「招きの大門」。朱色を基調とした大門池の吹き抜けの天井に届きそうな12mにも及ぶ竿燈「大若」と38の町会から集められた提灯達が大門池を彩ります。
仙台市の街中が色鮮やかな七夕飾りで埋め尽くされ、毎年200万人を超える観光客で賑わう「仙台七夕まつり」。古くは伊達政宗公の時代から続く伝統行事として受け継がれ、今日では日本古来の星祭りの優雅さと飾りの豪華絢爛さを併せ持つお祭りとして親しまれています。