ホテル雅叙園東京
神の手●ニッポン展 III
神の手●ニッポン展 III

文学の世界を立体で表現 数百枚の紙が生み出す新たな文字の世界



立体切り文字アーティスト 笹尾 真

立体切り文字アーティスト
笹尾 真
文学作品の名文を切り取り、本来二次元である文字の世界を立体化します。芥川龍之介の「地獄変」の冒頭文章を題材とし(写真右)、数百枚もの紙を紙を重ねた立体文字が生み出す世界などが登場します。

立体切り文字アーティスト 笹尾 真
「地獄変」

立体切り文字アーティスト 笹尾 真
四角錐シリーズ 芥川龍之介「羅生門」より
3点の連作。左よりH250 × W200 × D200mm、H250 × W200 × D120mm、H250 × W200 × D50mm
四角錐シリーズは、千葉大学工学部工業意匠学科出身の笹尾ならではの作品だ。
「昔から工作は好きだったが、切絵は特に曲味があったわけではない」「タイポグラフィーを学んだことはないが、明朝体の情報量が多いところが好き」という。
「羅生門」では冒頭の154 文字を題材とし、文章の一部が四角錘となってせり上がり、それが2点目、3点目とだんだんと大きくなり、見るものに向かって鋭く伸びてくる。芥川に言葉のナイフを突きつけられたような感覚に襲われる。
笹尾は「文字が四角錘の頂点の延長線上から見ることによって、はっきりと見えるように計算した」という。「文学と幾何学はテーマの一つ。自分の作風の理屈っぽいところは、そういう出処だからかも」。

立体切り文字アーティスト 笹尾 真
左:「羅生門・鼻」/右:「蜘蛛の糸・杜子春」

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