左:『婦人グラフ』7月号表紙(大正15年) 竹久夢二/中:「葡萄」鈴木孝/右:『百貨店ワルツ』より「呉服部」マツオヒロミ
大正から昭和初期にかけては新たな大衆文化が大きく花開いた時代です。
文化財「百段階段」が完成したのは1935年、昭和10年のこと。
時代は大正ロマンから昭和モダンの華やかな時代を経て、世界大恐慌や第二次世界大戦の暗い足音も近づいてきていました。
本展では昭和初期の文化財建築を舞台に、激動の時代へと突き進む以前のひと時、
新たな時代の幕開けを迎える人々の気運に満ちた華やかなりし「大正ロマン」の世界をご紹介します。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二作品をはじめ、人気イラストレーター・マツオヒロミ氏の大ヒット作
『百貨店ワルツ』とのコラボレーション展示、レトロモダン着物での記念撮影にも
おすすめのフォトスポットなど、大正~昭和初期の世界を建物全体で体感ください。
大正ロマンを代表する画家の一人、竹久夢二。本展では直筆原画を含む約50点の作品を「港屋絵草紙店」「美人画」「童画」「セノオ楽譜」の4つのカテゴリに分けて展示します。
竹久夢二×百段階段の画家たちの時を超えたコラボレーションをお愉しみください。
「港屋絵草紙店」復刻木版画
セノオ楽譜「汝が碧き眼を開け」
大正6年 石版画
千代紙 「大椿」
大正3年 木版画
商品を販売するだけでなく文化や流行を創出する場でもあった「百貨店」。本展では大正ロマンの世界観に影響を受けた作品世界で人気のイラストレーター、マツオヒロミ氏の大ヒット作『百貨店ワルツ』とコラボレーションのもと、華やかで幻想的な百貨店の世界を文化財空間でご覧いただきます。展示品の一部は実際にミュージアムショップでご購入も可能です。また、ステンドグラスを配しモダンな喫茶室を再現した部屋も登場。見るだけではなく“体験”できる企画です。
『百貨店ワルツ』より
「美粧部」マツオヒロミ
「花~語り合う」林晶子
126枚の日本画と建築意匠に囲まれた百段階段は着物でのお出かけや撮影にもおすすめです。大正時代の設えをイメージしたフォトスポットも登場します。
※展示品保護のため撮影をご遠慮いただく部屋もございます。あらかじめご了承ください。
歌舞伎や舞台演劇、オペラ、ミュージカルなど幅広い舞台衣装の分野において登場人物たちを彩ってきた松竹衣裳の衣裳たち。時代背景はもちろん、演じられる役柄の職業や地位、年齢や性格、人柄などを表すのにも重要な役割を担ってきました。本展では、「大正ロマン」をコンセプトにした着物のコーディネートとモダンガールの装いが登場します。
文化財空間を舞台に、今にも動き出しそうな大正時代の乙女たちをご覧ください。
※画像の着物は本展では展示されません。
2010(平成22)年よりフリーランスのイラストレーターとしてスタート。大正ロマンの世界観に影響を受けた作品世界が多くの支持を集め、作品展、書籍の挿画など幅広い分野で活躍。本展では、虚構の二十世紀初頭のデパートを舞台としたコミック&イラスト集として大ヒットを記録した著書『百貨店ワルツ』(実業之日本社・2016年刊)とのコラボレーションのもと、華やかで幻想的な百貨店の世界をご覧いただきます。
日本橋三越本店の現在の本館の元となる建物は、文化財「百段階段」と同じ1935(昭和10)年に完成。地下2階地上7階の、当時は「国会議事堂」「丸ビル」に続く大建築物で、各フロアで取り扱う商品も「東洋一の百貨店」と呼ばれるにふさわしい充実したものでした。本展では1935年当時の三越本店店内の様子を歴史画像とともにご紹介します。
文化服装学院ディスプレーデザイン科卒業、2001(平成13)年より紙を漉く技術を応用したあかり作家として活動。作品のモチーフは「森」「星」「月」など自然をテーマにした具象や抽象的なデザインを施し、和紙・洋紙問わず様々な紙の原料を活用しそれぞれの素材が持つ質感を最も大切にしています。
明治36(1903)年創業。創業者・中山太一が神戸市花隅町で化粧雑貨卸業を開始。
1906(明治39)年には「クラブ洗粉」を発売し驚異的な人気を博しました。
世代を超えて受け継がれるロングセラー商品は100年たった今でも昔ながらの製法はそのままに多くの方に愛され続けています。
1918(大正7)年創業。万年筆を作ろうと国内メーカーがしのぎを削るなか、立ちはだかる技術上の数々の困難を乗り越えて、世界に誇れる日本初の純国産万年筆の開発に成功。
その技術から生み出された様々な製品を100年以上にわたり作り続けています。
ガラス作家。一般に耐熱ガラスとよばれる硼珪酸ガラスを使用して酸素バーナーで制作しています。見た方がそれぞれの物語が思い浮かんでくるような、そして「傍らに置きたい」と思われるような作品を理想として作り続けています。幼少期にドイツにいた時はまだ見ぬ日本に、日本に戻った時には西洋文化に憧れていた覚えがありそれが今でも私の原点となっているようです。西洋の文化を貪欲に取り入れて花開いた明治・大正の文化に心惹かれるのもむべなるかな、です。(作家コメントより)
ステンドグラスを通じ時代に即したガラス芸術の創造と普及、啓発を図り常に最高水準の技術を維持し、それを発展させることに努めるとともに次の時代を担う人材の育成に尽力し作家相互の親睦を図ることを目的に設立されました。
本展では花鳥画に囲まれた「草丘の間」とステンドグラスのコラボレーションのもと、大正ロマンあふれる「喫茶室」が文化財内に登場します。
・出展作家(五十音順)小澤寿子、北田峰子、鈴木孝、高橋陽華、林晶子、舩越文恵、三田一弘
小澤寿子「麗人のコスチューム」
小澤寿子「麗人のコスチューム」
数々の美人画を残し、大正ロマンを代表する画家の一人として人気を博した竹久夢二。
港屋は竹久夢二の肉筆、大正時代の木版画から復刻木版画、絵葉書やハンカチなどのグッズまで取り扱う日本で唯一の竹久夢二専門画廊として、全国の百貨店や画廊での展示即売会や、美術館での展覧会を企画しています。
1955(昭和30)年長野県生まれ。歌川国芳や「鳥獣戯画」など古典を立体化する試み以外にも、本物と見まごうリアルな猫からキャラクター猫、絵画から陶芸までと、表現の振幅が大きいことが小澤作品の大きな魅力です。本展では竹久夢二「黒船屋」に描かれた猫をイメージした新作が登場。文化財の中に“夢二の黒猫”が現れます。※画像は過去作品より。
アデリアは創業200年を迎えたガラス製品の先駆「石塚硝子株式会社」の食器ブランドです。「アデリアレトロ」は、かつての昭和の家庭で使われていたアデリアのグラスウェアを現代でも安心して使えるようにリメイクされた商品です。本展では大正ロマン番外編として、花や動物など可愛らしい柄をあしらい昭和の食卓を飾った「昭和レトロ」のグラスをご紹介します。
1927(昭和2)年創業。建築用板ガラス全般をはじめ、ステンドグラスや海外の装飾ガラスも扱っています。また特に昭和時代の国産型板ガラスを使い、お皿や小物、ランプシェードなどを制作。昭和のレトロ感を醸し出す情緒ある柄模様は、年配の方々は懐かしい思い出に浸れ、若い方々には斬新!?で可愛いと思えるものもあるかもしれません。
HARIOは1921(大正10)年創業の耐熱ガラスメーカーです。創業当時は職人がひとつひとつ手作業により理化学器具や食器を作っていました。屋号はガラスの王様「玻璃王」に由来します。のちに機械による製造を進化させ工場の中に人の姿も少なくなりましたが、再び原点に立ち返り、ガラス職人が丹念につくった作品をお届けしたい、また手仕事の技術を次世代に残したいという思いで耐熱ガラスに新たな命を吹き込んでいます。
1899(明治32)年、東京で創業した廣田硝子。創業当時より伝えられる貴重なデザイン資料を元に、江戸切子や吹き硝子など脈々と受け継がれる手仕事による伝統的製造を継承し、現代のインテリアに調和するプロダクトを作り続いている硝子メーカーです。
明治大正時代に盛んに使われた日本独自の成型方法で作った乳白色のガラス器「大正浪漫ガラス」や、昭和に成型した型を今でも大切に使って作る可愛らしい花のような器「雪の花」など、レトロな雰囲気をまとう硝子の世界をご覧ください。
1931(昭和6)年、ホテル雅叙園東京の前身-目黒雅叙園が目黒の地に開業しました。
当時の資料は現在も大切に保存されています。当時の館内の様子が描かれた昭和初期の絵葉書、観光パンフレット、当時の建物で使用されていた装飾金具などレトロなデザインもかわいい目黒雅叙園歴史資料を一堂にご紹介します。
「孔雀」高橋 陽華
1名様¥1,000
営業時間:11:30~17:00(L.O.)
※お席は45分制です
■復刻版レトロ絵葉書セット付チケット
[数量限定]
1名様 ¥1,400(税込)
※完売いたしました。
■大正乙女のお手紙メモ付チケット
[数量限定]
1名様 ¥1,500(税込)
※完売いたしました。
■椿のアクセサリー付チケット
[数量限定]
1名様 ¥7,000(税込)
※完売いたしました。
■ギャラリートーク付特別見学会チケット
[日にち指定][定員制]
混雑を避けてゆっくり文化財鑑賞をしたい方におすすめの、少人数でお愉みいただけるスペシャルツアー。閉館後の文化財を解説ツアー付でご鑑賞いただく特別企画です。百段階段ガイドブックとオリジナルポストカードのお土産付です。
1名様 ¥2,000(税込)
※完売いたしました。
※写真はすべてイメージとなります。
「本館大広間」©東京都庭園美術館
■東京都庭園美術館/建物公開2022 アール・デコの貴重書
一般 ¥1,000 ≫ ¥800
大学生 ¥ 800 ≫ ¥640
中学生・高校生 ¥ 500 ≫ ¥400
65歳以上 ¥ 500 ≫ ¥400
■ホテル雅叙園東京/大正ロマン×百段階段
一般 ¥1,200 ≫ ¥1,000
割引期間:4月23日(土)~6月12日(日) ※各施設の休館日を除く
※ほかの割引とは併用いただけません。
※当日会場受付で購入の場合のみ割引適用。オンラインでのチケット購入は対象外となります。