本作品では「竹」をモチーフとしています。目黒区は、昭和初期頃まではたけのこの特産地として知られた農産地帯でした。
作者は目黒区に残る竹林に足を運び、特に力強さを感じる根元の節の部分を絵に切り取って、作品化しました。
昔は、竹が折れると「神様の足跡」と考えられ、神事の際の道具を作るのに用いたそうです。作品の節の部分が少し裂けるように空いているのが見て取れますが、雅叙園に祀られている神様にも足跡を残してほしいという想いが込められています。
また、朱色の竹には寿徳・福徳・財徳の「三徳」が宿るとされ、健康長寿・商売繁盛の題材でもあります。